みなさんこんにちは～
今日はセミの羽化を観察したのでご紹介します。
いつもの日課の夜の散歩をして、帰ってくると息子が玄関アプローチで
ひっくり返ってじたばたしている虫を発見。
巨大なゴキブリ？！と思いきや、セミの幼虫でした。
今まで抜けがらしか見たことなかったので、
あの茶色い鎧の中に生身のセミがいる状態で、
しかも動いているというのは未知との遭遇！！
もしかしたら羽化するのかなと思い、家に持ち帰って観察をしてみました。
そこでちょうど良い大きさの木を探してきて、コップにさしてから
セミの幼虫を止まらせました。しばらく上がったり、下がったりしているうちに
気に入って貰えたのか、木の先端近くでおとなしく止まってしまいました。
この様子だと明日の早朝には羽化するのではと思っていたので、
ゆっくりお風呂に入ってるといきなり息子が「セミの背中が割れた！」
と大騒ぎ。まさかもう羽化が始まったの？と思い、急いで駆け付けました。
既に背中側に亀裂が走り、中の成虫の頭が少し露出し始めています。
頭が先に殻から出てきて、目も殻を通して見つけることができます。
殻のなかにいる時は小さくなっているのか、先に外に出てきた頭だけが
風船を膨らましたように大きくアンバランスに見えます。
体をブルブルと震わせるのを繰り返しながら、体の半分くらいが出てきました。
体を殻の延長線方向に抜け上がっていて、すでに殻の前脚よりも高い位置まで
出てきました。体の側縁に見える緑色の部分は羽になる部分で、未だ体が抜け
きっていないようです。
もう遅い時間なのに息子も真剣に観察をしていました。
体の７０パーセントぐらいが殻の外に出てきました。
ぴたりと合わさっていた前脚が動きはじめ、
脱いだ殻に前脚を伸ばして、つかまっているように見えます。
頭の位置が前よりも下がってきていて、体がほとんど床と水平になりました。
そしてどんどんと頭の位置を下げてきます。
体をぶるぶると震わせるのはいつのまにか終わり、すごいバランスで静止してます。
このまま抜け落ちてしまうのではないかと心配するほどでした。
体を起こし、前脚、中脚、後脚を使って、脱いだ抜け殻につかまりました。
どうやら最後まで抜け殻の中に残っていた腹の部分を引き抜くために、
脚で殻を掴んで手掛かりにしようとしているようです。
そしてやっと体の全部が外に出ました。
羽化が始まってから45分で完全に殻から抜け出ることができました。
抜け殻に脚でしっかりとつかまっています。
羽は固まっていますが、確実に開き初めています。
5分後、固まって折れ曲がっていた羽が完全に開きました。
羽の表面は白色で、ちようど花びらのようにしっとりとしていて、
厚みも感じられます。羽の前縁はまだ緑色のままで、
なんともみずみずしく美しいこと。
ため息が出てしまいました。
ここまで来ると後は体を乾燥させるだけのプロセスです。
どんどん色が付きはじめ、セミっぽくなってきました。
観察を始めて2時間半が経過。もう日付も変わってしまいました。
息子がもう眠くて限界をむかえたので、観察はここで終了。
家の中を飛び回られると大変なのでセミは玄関先へ。
朝起きて確認をしてみるとりっぱな「アブラゼミ」の成虫となっていて、
息子が庭の木の幹に止まらせてあげました。
あとあと調べてみると羽化は思っていた以上に失敗確率は高いみたいなので
とても貴重な体験を親子ですることができました。
５年近くも土の中で過ごし、表面に出てくるタイミングや環境が悪ければ
羽化も出来ません。羽化しても１週間程度の短い命。
そう思うとむやみに採集しないで、夏らしいセミの声をいつまでも聞ければ
良いなと思いました。
本当はもっと写真を紹介したかったんですが、制限があり紹介できませんでした。
もし、写真を見たい方がいればぜひ気軽にお店で声をかけてくださいね。
ヒガノでした。
